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クラウド活用術02

基幹システムのクラウド化を成功に導くためには?
当社では、仮想化技術を活用したプライベートクラウド
による基幹システムの統合に取り組んできました。

その構築には、今までの物理サーバーやパブリッククラウドの利用とはまったく異なる手法やプロセスが必要です。

今回は、2009年にプライベートクラウド構築によるサーバー統合と、データセンタへのアウトソーシングを実現された 株式会社東急コミュニティー様のプロジェクトに携わった2名のエンジニアより、実際の現場でどのような問題が 注目され、どのような手順で移行が実施されたのかをご紹介します。

導入のメリット成功のポイント

導入のメリット

サーバー統合とアウトソーシングで、保守費や管理工数を大幅に削減

従来のITトレンドでは、ホストからクライアントサーバーへとシステムを分散することで、初期コスト削減を実現してきたわけですが、逆に自社運用コストが肥大化していくというデメリットも発生しました。しかし、プライベートクラウド構築によるサーバー統合と、データセンタへのアウトソーシングを実現することにより、サーバーの台数を削減して統制監視の容易さを取り戻し、運用コストを削減することが可能になります。

東急コミュニティー様は、サーバー統合を実施してITコストを削減するとともに、データセンタへのアウトソーシングによる運用の効率化を図りました。従来は、社内に22本のラックと121台のサーバーを設置していましたが、今回の移行によりラック数が9本に、サーバー台数が47台に統合され、ハードウェアの保守費や社内の管理工数が大幅に削減されました。

Vソリューション推進本部  大江 伸登

イメージ図:移行によるサーバー統合結果

当社では、プライベートクラウド構築のアセスメントから設計、構築、移行、そして運用までをトータルに担当しました。システムの移行もスムーズに実施され、その後の運用過程においても、データセンタの立ち入りが必要となる場面はほとんどありません。

成功のポイント

プロジェクト開始以前の情報とコミュニケーションの重要性

この一連の移行統合については、東急コミュニティー様からお声がけいただき、当社が提案する形で進めました。提案内容を作成するためには、まず「アセスメント」を行い、お客さまの状況、課題、さらにこのプロジェクトを実施したことで得られるメリットを明確にする必要があります。情報が不足していると、プロジェクト開始後の作業やコストに跳ね返る場合があるので、ここでの情報収集は大変重要な要素となります。

東急コミュニティー様が自社内に置いていたサーバー群は、各部門に属するものも含めて情報システム部で集中的に管理していました。また、アプリケーションもほとんど自社制作していたため、情報システム部を窓口に、すべての情報を入手することが可能でした。毎週開催される定例会で得られた情報をもとにアセスメントやキャパシティプランニングを行い、「統合シナリオ」※1を作成しました。さらに、データセンタへのアウトソーシングにより、管理工数の大幅な低減というメリットが出ることが判明し、サーバー統合を含めると大幅なコスト削減が可能という提案が作成できました。これをどう実現していくのかが次のステップになります。

物理サーバーから仮想サーバーへ、本番環境を実際に移行してみることが重要

情報系のシステムは、移行後に正常稼働しなければ元に戻せるケースもありますが、基幹系はそうはいきません。特に仮想化については、いくらデモンストレーションで見たとしても、自社のシステムが本当に稼働するのかという不安をぬぐい切ることは困難かもしれません。そのようなお客さまに対し、当社ではテスト機での実証をお勧めしています。 東急コミュニティー様の場合、まずは現在当社のサービスメニューとなっている「おてがる仮想化パック」の前身となる、「P2V検証用ミニセット」をご利用いただくところからプロジェクトがスタートしました。まず第1段階として、お客さまのシステムをP2V(Physical to Virtual:物理サーバーから仮想サーバーへの移行)で検証用サーバーに移行し、設計上、正常に移行できなかった部分の確認や、実際の移行時間でどの程度システムを止めなければならないかなどの基本データを取得します。また、これらの検証により、お客さまには仮想化環境でも問題なくシステムが稼働することを確信していただくことができます。

これらをもとに設計に入り、もっとも効果的な移行となるように目標値を設定しました。これが承認されて、プロジェクトがスタートします。プロジェクトの開始が2008年8月、データセンタでの運用は2009年5月から開始されたので、1年弱のプロジェクト期間となりました。

Vソリューション推進本部 宮原 佑也

イメージ図:プロジェクト全体スケジュール

移行の要件定義と2段階移行による問題点の解決

プロジェクトが正式にスタートしたら、移行統合のための要件定義を行います。仮想化では、一時的に物理サーバーと仮想サーバーが並行して動く環境が作れるので、万が一、仮想サーバー上で正常に稼働しなくても元に戻せるというメリットがあります。そのため、このタイミングでアプリケーション改修や新規構築を行いたいなどの要望が出てくるケースもあり、またそれにより、物理サーバーの台数や配置といった設計が変わりますので、これらの要件を詳細に確認することが大変重要となります。

そのほかには、アプリケーションの棚卸しがあります。オラクルなどミドルウェア系のライセンス費用は移行後のトータルコストに関係するため、利用していないアプリケーションなどは移行せず、サーバー集約の効率化を図ることも、P2Vでは重要なポイントとなります。

検証段階では、まずP2Vで物理サーバーから検証用の仮想サーバーにシステムとデータを吸い上げ、稼働確認をするとともに、設計確認や停止時間設定を行います。いきなり移行するのではなく、検証してから移行という「2段階移行」を実施することで、さまざまなリスクを回避できます。これも、基幹系システムを仮想化環境にのせるための重要なポイントになります。

要件定義と設計で約1~3ヵ月を必要とします。東急コミュニティー様の場合、用意するリソース量はテスト結果をもとに50%で設計し、サーバーが1台止まった場合でも、移行してすぐに稼働できる余裕を持たせました。

実際の移行作業ではヒューマン的な要素も必要

データセンタへの実際の移行方法には最大限の配慮を行いました。仮想サーバーのIPアドレスを以前と変更した場合、アプリケーションの変更が必要になる場合も多いため、今回の移行要件としてIPアドレスの変更は行わないことが必須でした。そのため、P2V後システムをシャットダウンし、データの整合性を確保した状態にして、データセンタ側でデータを吸い上げ、システムを起動する必要があります。VMwareのP2VしたデータをWAN回線で送るには、今回のプロジェクトでは非現実的でしたので、ハードディスクをお客さま社内からデータセンタまでタクシーで運ぶことで、ダウン時間の削減に努めました。

イメージ図:データセンタへの実際の移行作業

このようなヒューマン的な要素が、実はクラウドの移行作業に大変重要になります。ネットワーク経由で何時間もかけてデータを送信してもダメだったでは許されません。方式の選択は、稼働までのプロセスを立証しながら実行することが大切です。こうしたことは、実際に経験しないとなかなか理解できません。

古いサーバーからハードディスクへのデータ吸い上げは時間がかかるため、移行は部門ごとにサーバーをまとめて行っていきました。2月から5月まで12回に分けて、繁忙期ではない、日程の空いてるところで、1日2サーバーから14サーバーまで、容量などに合わせ時間を調節しました。契約系など、特にダウンタイムを縮小する必要があるシステムは、ゴールデンウィークに移行を行いました。

2008年5月にすべての移行が完了し、それから約1年半、トラブルもなく稼働しています。ただし、順調な運用が続いているため、新しい業務への利用が増加し、必要リソースが増大しています。予備機の投入が必要となるケースも出てきており、今後のパフォーマンスチェックは重要になっていくでしょう。

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実際に導入いただいたお客さまの声

プライベートクラウドの導入によるお客さま事例です。

株式会社東急コミュニティー様

サーバー台数を74台から12台までに削減し、コストの削減に成功。
システムも安定稼働し、管理・運用がスムーズに。

株式会社東急コミュニティー様
業種:不動産・住宅

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